出掛けに歯を磨いていたらオリンピックをTVで見ていた父が残念そうな声をもらす。 画面を見ると北島。 北島も残念そうな顔をしている。 「これ200?北島まさか4位?」 と訊くと 「いや、世界記録にあと一歩だった」 ……すごいやつ。 もうすでに期待されている基準が違うんだなぁ。 4年前に金メダルを取ってそれからずっと期待され続けてきた。 自分のなかでこつこつと4年間積み上げてくるのだってものすごく大変であろうのに彼には日本中からの期待やプレッシャーがあったのだろうな。それが後押しになることもあったかもしれないけれど。 なのに…。 4年間。 すごいことだ。 かっこいいなぁ。 友達と話すことも踊ることもなにかを創ることも、すべて今までずーっと生きてきた私の、たった今、を全力で咲かせることだ。 積み上げてきたわたしでしかここにはいられない。 今の一瞬に私に映りこむことも含めて。 でもその「今」という