7月18日、京都市にある「京都アニメーション」放火事件は、死者が33人に達する大惨事になった。一度の33人が死亡するのは、日本の殺人事件では極めて特異なケースだ。今後、どこに着目すべきか。専門家が語る。 歴史に残る大量殺人事件 「これだけの被害者がでる大量殺人事件は、日本においてはほとんどない。歴史に残る事件と言える」 こう語るのは『日本の殺人』(ちくま新書)など犯罪研究で知られる河合幹雄・桐蔭横浜大教授(法社会学)だ。引き合いに出すのは、小説(そして、映画化でも有名になった)「八つ墓村」のモデル、「津山30人殺し」だ。1938年に岡山県の山村で起きた大量殺人事件である。 「被害者の数が30人を超えるというのは、ほとんど事例がないといっていい。容疑者が特定されている事件に限れば、津山事件があてはまるが、特定の企業を狙った犯行となると、さらに類似のケースを探すのが難しい」 日本の大量殺人はい