通常はブラックホールや超新星などを観測しているヨーロッパ宇宙機関の天文衛星「インテグラル」が、地球のオーロラから放射されたX線をとらえた。 【2016年1月28日 ESA】 高緯度地方で見ることができる美しいオーロラは、地球の磁場と太陽風が相互作用して発生する現象だ。太陽からやってくるエネルギーを帯びた粒子が地球の磁場に沿って地球の両極地方に流れ込み、地球大気中のさまざまな分子や原子と衝突して、赤や緑などカラフルでダイナミックな光のショーを見せてくれる。 地球へ入ってくる粒子が減速するときにオーロラからX線が放射されることは、あまり知られていない。そうしたオーロラからのX線が昨年11月10日に、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の天文衛星「インテグラル」によってとらえられた。 インテグラルはブラックホールや超新星、中性子星などを観測する衛星で、このときの本来の目的は、銀河の中心に存在する超大質量