第3章 CDが出来るまで 3-1 マスタリングとミックスダウン 前のページで、音楽CDを販売する人たち、CDを作るために動いた人たちの姿を垣間見ることが出来たと思います。 では、そのCD円盤を作るまでにはどんな経緯をたどって来たのでしょう。 CDとはどんなもの? CDとは「コンパクトディスク」のことで、それ自体はプラスチックの板です。盤面に凸凹を刻み、それをレーザー光線で読みとってデジタル信号に変換することで、CDプレイヤーで聴くことができるわけです。 みなさんが手にするCDというのは、レコーディング(正確にはマスタリング)したときに完成したマスターテープ(原盤)ではありません。レコーディングして出来上がったマスターテープを「複製」したCDを聴いているのです。 マスターテープについて説明しましょう。 マスターとは「元になるもの、基本となるもの」という意味です。マスターテープと