能登半島地震の影響を受けて被災した国道249号の大谷トンネルで、約100mにわたって覆工コンクリートが崩落していたことが、日経クロステックの取材で明らかになった。トンネルや地盤の専門家は地震で生じた地滑りの影響で崩落した可能性を指摘している。 覆工コンクリートが崩落した大谷トンネル。写真奥の崩落を免れた覆工コンクリートに左側から圧力を受けたと見られる変状が確認できる(写真:砂金伸治・東京都立大学都市環境学部教授) 石川県珠洲市にある大谷トンネルは、トンネル銘板によると全幅員が9.75m、高さが4.7m、延長が782mだ。崩落したのは南側坑口30m付近から約130mまでの区間。国土交通省の要請で現地を調査した土木研究所道路技術研究グループの日下敦上席研究員は、「覆工が圧壊してばらばらになって落ちている。相当危険な状態だ」と話す。さらに、路面のセンターラインが軸直角方向にずれていた。