最初に結論、セイゴオ師の勝ち。 物量は立花隆が圧倒的だが、質量は松岡正剛に軍配が上がる。書棚の写真を並べると、本に対する扱いが如実に現れており、とても興味深い。 『立花隆の書棚』にある本は、「資料」だ。ビルを丸ごと書庫にした通称ネコビルは有名だが、百聞一見、噂に聞くのと写真を見るのとまるで違う。地下二階から地上三階までビッシリと占める本棚の光景は圧巻なり。さらに、屋上、階段、床上、三丁目書庫、立教大学研究室までを入れると、20万冊になるという。 だが、それぞれの棚に詰め込まれた書物は、雑然としている。ストーリーも驚きもないし、整理すらされていない。その分野に絡む本は、ミソもクソも選り好みせずガツンと大人買いしてきましたといった感じ。これらは本ではなく、資料なのだ。 「書棚は、持ち主の知的歴史の断片なのだ」と言い切る力強さは頼もしいが、同じ口から、「書棚は常にめちゃくちゃになる、そうならざる