日本環境感染学会（横浜）終了 - 感染症診療の原則
18日・19日とパシフィコ横浜で開催されていた日本最大といわれる環境感染学会が終了しました。 青木編集長は今村先生のランチョンセミナー座長だけしかしていませんでしたが、会場をふらりふらりと歩いていたら、「あ、青木先生がいる」と、希少動物のようにささやいていただきました。（^^;) 久しぶりにお目にかかれた方もいました。皆さんお元気そうでなによりです。 夜は、オーストラリアから一時帰国中の林先生とごはん会を企画。 荒岡先生と細川先生もお誘いし、そのテーブルだけ熱い感染症トークがくりひろげられました。 お店は品川のオイスターレストラン。週末なかなか予約のとれないお店なのですが、遅い時間からの予約のかたのテーブルに、早めならOKということでいれてもらいました。 「生ガキ」もオーダー。 過去にA型肝炎で入院した人、ワクチンうった人、うったようなうってないような記憶が定かでない人、未接種の人がテーブ
HIV検査を拡大する際の注意 - 感染症診療の原則
今村先生のランチョンセミナーの座長をした青木編集長。 「針事故対応の話は環境感染学会の大事な話題のひとつであり、メイン会場と、そこに入れなかった方のサテライト会場にはたくさんのかたにご参加いただいた」とのことです。 朝の疫学のセッションでは、HIV検査拡大すると・・・？の話題がありました。 入院時や手術前にHIV検査をルチンに行うかどうかが、各方面で話題になっている昨今ですが、検査を拡大すると「偽陽性」が問題になります。 検査を行う地域、対象でのもともとの「流行率」が影響してきます。 南アフリカと日本は違います。 新宿区と八戸もちがいます。 検査の感度と特異度から陽性的中率を計算できるページなどで確認をするとわかります。 感度が100％で特異度が99.8％の場合。 日本の新規HIV症例報告の9割が男性です。 女性はとても少ないうえ、妊娠経験があるなど、偽陽性になりやすい因子もあるので、リス
子どもにHBVワクチンを接種するか？の話題 - 感染症診療の原則
その情報や対応が正しいかどうか（精度）、妥当かどうか（制度）、インパクトはどうか（医療経済、あるいは個人の認知）を考えることがあります。 精度は基礎や臨床での努力や判断の問題で、制度は費用対効果含めて公衆衛生上重要ですが、個々人の受け止めは多様であるという前提のうえで、「一般に、この感染症の問題はどのような“語られ方”をしているのだろう？」と思うわけです。 最近はブログやTwitterで広く発言する機会が増え、またその分母が大きくなっていますので、この流れもたいへん興味深いものです。 Twitterはキーワード検索である程度、話題はや発言のトレンドを把握することができます。 分母がわからず匿名なので、量的な評価はできませんが、解釈・リテラシーに関連した質のサンプルを得ることが可能です。 読売新聞に「発言小町」という情報交換サイトがあり、基本的に匿名ですが、いろいろ学べる話があります。 ポリ
『臨床医のためのパブリックヘルス』 - 感染症診療の原則
こんな本があったらな！と思っていた本が昨年発売されました。 太田先生、高山先生、高橋先生・・感染症関係でつながっている先生方が分担執筆されています。 第1章 集団の健康をとらえる公衆衛生の視点 第2章 健康危機管理 1．健康危機管理とは？ 2．感染症と公衆衛生 3．災害医療と公衆衛生 第3章 日本の医療を動かす仕組み 1．厚生労働省の役割，業務とは？ 2．保健所の役割 3．健康保険と医療費 4．臨床におけるプライマリ・ヘルスケアの実践 5．産科医師の減少と産科医療を救うための制度設計 第4章 臨床データの活用 1．診療の質と公衆衛生の考え方 2．臨床研究支援と公衆衛生 第5章 最近のトピック 1．エビデンスに基づく公衆衛生 （Evidence Based Public Health） 2．臨床に活かす行動変容の理論 3．臨床医が知っておきたい「健康の社会的決定要因」 4．政治と医療との
アラ還と水痘ワクチン - 感染症診療の原則
青木編集長、先日、ワクチン外来を担当しているＳ先生＆Ｙ先生と、夜景美しい新宿の高層ビルのレストランにでかけました。 日ごろの感謝（お詫び？）・・ということでのご飯会です。 そこで、そろそろ「水痘ワクチンうってもらうかなー」という話になりました。 「自分もアラカン（アラウンド還暦）だからね～」 ・・たしかに。 こんどうこどもクリニックのブログでは、2008年にNHKで帯状疱疹を話題にしたあとに、問い合わせが増えた話が紹介されています。 最近ooyake先生のブログでも話題になっています。 日本には成人用の「帯状疱疹ワクチン」は認可発売されていませんが、水痘ワクチンで十分間に合うだろう、という状況です。 「米国で使用されている帯状疱疹ワクチン（Zostervax）のウイルス量は19,000PFU/dose以上と、米国小児に使用される水痘ワクチンVarivaxのウイルス量よりも10倍以上多いです
Once Infected, Always Infected - 感染症診療の原則
佐賀県の結核関連ニュース。 Once Infected, Always Infectedの結核菌ですが。 高齢になって免疫が低下、免疫が下がるような医療介入によって、ハイリスク人口は増加していきます。 医学生や研修医の皆さんは、自分が、あるいは自分の所属する施設（実習や勤務先）でいつでも結核事例に出会う可能性がありますので、鑑別診断や治療だけでなく、保健所との連携の仕方、周囲のケアについて体系的に学ぶことをオススメします。 結核の勉強会のときは、臨床医の症例の話だけでなく、保健所の医師や保健師にお願いして公衆衛生としての結核の話などもしてもらうといいですよ。 顔見知りになっておくと、他の案件でも相談の敷居がさがります。 結核で8人集団感染―嬉野市の2病院、受診者は健診を(47ニュース） ニュースは、接触者検診を呼びかける意図もあるようです。 全体としては、入院患者と病院職員8人が発病し、3
国際渡航医学認定試験 - 感染症診療の原則
感染症の勉強をする中で、機会があったら体系的に渡航医学やワクチンを勉強したいなあ・・でもそのタイミングやチャンスって？と思うことがありますよね。 トラベル系については、このブログで紹介してから、若い先生方がじゃんじゃかCertificationの試験を受けにでかけており、青木編集長宅Partyでもその情報交換が行われていたりします。 現在、日本人は50数名合格者がいるそうです。 青木編集長はニガテ分野で「落ちる自信がとてもあるので試験は受けぬ」といっています。 ・・・皆さん、一応対策なるものをして試験受けているんですよ。 先日聞いた話では、医療者じゃなくって、旅行会社の人が合格したとのことです（すごいですね～）。 最近受けた先生からそのコツを聞けるといいですね。 と思っていたら、マツケン先生から関連情報を教えていただきました。 兵庫県の先生のブログに関連情報が （^^) ドクター中島の「地
FDAが募集するOutbreak対応の責任者 - 感染症診療の原則
食品由来の広域・大規模アウトブレイクが問題化するなか、米国FDAが責任者を公募するという話がニュースになっていました。 日本は公募のようで公募でない、なんちゃって公募が多いのですが、こちらは本当の公募のようです。 「chief outbreak director/chief medical officer」米国の市民権があり、医師免許がある人が対象。お給料は、年収で$123,758～ $155,500。 保健所長の年収は聞いたことがありますが、地方衛生研究所や国立感染症研究所の現場責任者だとどれくらいでしょうね？ 平時からの食品安全や広域アウトブレイク対応に関心の高い人もいるとしたら、こういったポジションをつくってスペシャリストとして育成、地域で共有させていただくのも戦略ではないかとおもいます。 そして、このチーフを含め、複数領域にまたがる40人の専門チームをあらたにつくるそうです。 40
日本で感染した「セフトリアキソンで治療困難な・・・」 - 感染症診療の原則
Eurosurveillance最新号に、スウェーデンからの淋菌症例の報告が掲載されていますが、セフトリアキソンでの治療が難しかった（ぎょ！）そしてよく読むと「日本で感染」が疑われる症例です。 20代男性が、性器と咽頭の症状で受診。ヘテロセクシュアル男性（ということです）。 “コンドームを使った”膣ペニス性交と、“コンドームを使わなかった”オーラルセックスあり。 この男性、最初に受診したところで、エンピリカルな「今ではそんな処方ないだろう」的アモキシシリン投与を受けます。そしてＳＴＤクリニックを紹介されます。 第12病日にＳＴＤクリニックを受診したこの患者さんは、この時点で性器の症状はありませんでしたが、咽頭の炎症がありました。 性器の検体は培養もＰＣＲも陰性でしたが、咽頭の検体は培養陽性であったため、第26病日からセフトリアキソン（250㎎）が投与されました。 これは国際的に投与が推奨さ
堺病院でのセミナー修了 - 感染症診療の原則
年に1度、編集長がお招きいただいている堺病院。 先日ご案内した、公開セミナーが無事修了しましたというご連絡をいただきました（Taro先生の後輩は律儀ですね・・）。 院内外170名の参加があったそうです（まあ～もともと人気の研修病院ですしね）。 参加した皆さんお疲れ様でした。 準備やお世話をしたみなさん、お疲れ様でした。 なぜご案内させていただくかといいますと、「青木ブログを見てきた」という参加者がいた・・というご報告をいただいたためです。 ふだんから地味～にアナウンスをお手伝いする意義をじいいいいんとかみしめております。 ご許可をいただきましたので、晴れ晴れしい写真も掲載させていただきます。 しかし。この人数すごい。どうやって写真とったんでしょう？ 全員が目を開ける瞬間を狙うのはたいへんです。 ＡＫＢ●●のように、センターの顔がＯＫなら、ＯＫですかね！
ＩＣＵを個室化すると - 感染症診療の原則
医学生、研修医の皆さん。身近にジャーナルクラブがあったらぜひ参加して、先輩たちから数字や論文の解釈、クリティークの仕方を学びましょう。 ネットでもたくさんの情報に学べる時代です。CMECジャーナルクラブのブログ編集長は名郷直樹先生。 CMEC-TV いろいろな人とディスカッションすることで、鍛えられていきます。 いきなり超専門的なテーマは難しいようでしたら、誰でも関係しそうな院内感染対策などはいかがでしょうか。 どの施設でもとりくまなくてはならない課題です。 どれくらいのことまでやるべきなのか（お金・人材・物品）。 感染症発生リスクの高い（もともとそのような病状の患者が集中する）ICUで、複数ベッドをシングルベッドに、つまり「個室化」したら、感染症のリスクがどうなるか？という調査研究報告。 Arch Intern Med. 2011;171(1):32-38 Infection Acqui
2/18（金）腫瘍内科 ＆ 若手医師セミナー 2011 - 感染症診療の原則
2月18日は今年度最後の若手医師セミナーです。 ひとりでも視聴登録希望があれば、MRさんが地域に会場設営をしてくれます。MRさんウチにこないよ～という医療機関の方は本社に直接ご相談ください。 詳細はファイザーのＨＰ の若手医師セミナーのページでご確認ください。 ライブ中継をしていますが、生講義も聴いてみたい！という方は東京のベルサール神田におこしください（^^)。 最終回は日本で専門家が絶対的に不足しているOncology領域。 講師は亀田総合病院の大山優先生（米国腫瘍内科専門医・米国血液科専門医）。 現在、この道をめざす若手医師を亀田で育成中。 実は、2011年の若手医師セミナーでは、まだ取り上げていなかった、しかし初期研修でカバーしてmustな学習課題としての呼吸器内科を、腫瘍内科とチェンジすることになりました。 なので、一度まとまった初学者向けの臨床で使える腫瘍内科の話をききたいなあ
大分 はしかゼロ（2010年） - 感染症診療の原則
2012年の麻疹排除宣言をめざし、日本とWPRO諸国の努力が続けられています。 大分で、2010年の麻疹報告がゼロだったという記事がありました。 大分合同新聞 1月27日 昨年のはしか患者０人 ワクチン接種、奏功 大分県はもっともワクチン接種率が上昇した県でした。 2007年6月は大分大学で2名の麻疹患者が報告され、1週間の学内立ち入り禁止＆課外活動禁止となりました。 医師会の協力ではじまった全数調査。2007年の状況は・・・ ------------------------ 9月末現在までに51名の患者の報告があった。この中には感染症発生動向調査の届出患者も含まれる。 年齢別では、14歳以下が18名、15～19歳が15名、20代が12名、30代が3名、40代が1名、50代が2名であった。 ワクチン接種歴がある人は15名であった。 報告後に他の疾患と診断された事例もあるが、全数報告は定点報
2011年 予防接種スケジュール（米国） - 感染症診療の原則
海外で認可されている薬はどうやって日本にはいってくるか。 （理由はよくわかりませんが）ヨーロッパのシステムではだめで、米国FDAが認めているかどうかが重視されます。 遅れてはいってくるので「ラグ」「ギャップ」が生じますが、その分、先行データをふまえて検討ができるという見方もできます。 困るのは、途中まで海外のスケジュールで接種をしていて、帰国したご家庭です。 調整の相談にのってくれる先を探すのも一苦労だそうです（東京には相談先もいろいろあるのですが）。 本日、2011年の米国の予防接種スケジュールが発表になりました。 毎年新しく出て、微調整や追加情報があるとなると、関係者はすみずみまで眺めますし、忙しい人でもどこがかわたのかな？と変更点をチェックします。 現在、見直し中の日本の予防接種制度ですが。この影響はどこかにソロリソロリとあらわれるでしょうか。 こどもと思春期の予防接種スケジュール
補足情報 新企画 ベッドサイドで役立つ感染症コンサルテーション力Up講座 - 感染症診療の原則
MRさんをだしぬいて2月7日に下記の情報を紹介してみたら～早速問い合わせがたくさんきているそうです。 臨床での実力がすばらしい。教えるのが上手。薬剤師さんはじめ他の職種とのコラボレーションを重視している・・・と3拍子そろった講師を確保するのが編集部内のミッションでした。 呼吸器・・・そう！あの方です。 血流感染は・・・もちろんあの方です。 腹部外科系は・・・ふふふ。お楽しみに～。 近日中に公開しますね～ 教室があるので学生に公開講義的に聞かせたいという薬学や医学系の先生からのお問い合わせもあるそうです。 「ウチにはサンドのＭＲこないよ～（--;）」という方は、下記のチラシにあるフリーダイヤルでお問い合わせＯＫとのことです。本社の担当の方が対応してくださるそうです。 ちなみに・・講義内容にはまったくサンドの製品は登場しません（という条件でしかどこもお手伝いしませんが）。 が、このようなプロ
ABCE 肝炎 - 感染症診療の原則
メディアではA型肝炎（千葉）、B型肝炎（訴訟の和解）、C型肝炎（静岡）と3つの肝炎が話題になっています。 ACBそれぞれ感染経路やパターン、必要な対策・限界が異なりますが、どれも症例がどんどん拡大していくようでは公衆衛生上の問題になりますので、臨床や地域においてもケアが必要になります。 保健所への報告のカテゴリーも異なっています。 行政での扱いも、食中毒がらみになると食品管理の専門部署が対応をします。 AとEは経口感染 oral-fecalです。 千葉日報 1月29日 すし店で食中毒 客１４人が入院 千葉、Ａ型肝炎ウイルス 特定の個人の手指からの感染拡大の場合と、食事を介して広域に拡大する場合とありますので、詳細は調査をしないとわかりません。 家族内の2次感染もおきますので、医療スタッフはA型肝炎ワクチンを接種するようにすすめるのを忘れずに。 IASR 1995年 家族内感染が疑われたA型
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く
続報 ベッドサイドのコンサルテーション力Up講座 - 感染症診療の原則
『人工呼吸管理に強くなる』 - 感染症診療の原則
肉食 季節イベント - 感染症診療の原則
2/18（金）・19（土）日本環境感染学会 - 感染症診療の原則