「萌(も)える」。最近よく聞くこの言葉。アニメや漫画、ゲームに出てくる架空のキャラクターへの愛情を表します。いまや「888億円」ともいわれる「萌え」市場。市場を中心となって支えるのは若者たちです。2次元の美少女キャラクターなどにひかれる若者たちの心模様とは―。 「彼女は僕の理想をすべてもっている。やさしくて、きれいで、かっこいい。彼女に出会い僕の人生は変わった」 フリーターの大村正樹さん(20)=仮名は、学園を舞台にした恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル2」に出てくる「陽ノ下光」という女性に夢中です。 ゲームが発売されたのは約六年前。その間「彼女一筋」。「彼女」関連のキャラクター商品を買い続けています。 「そのために働いているようなもの。彼女がいて、この世界があるから生きている」。二つの仕事を掛け持ちして得た給料のほとんどは、グッズの購入とイベント参加代に消えています。 東京・