風景画は様々な時代や地域で描かれてきました。峻険な山岳、爽快な海辺、のどかな田園、描かれた風景は視覚的に私たちを魅了します。しかし単に美しいだけでなく、歴史や風土、画家の心情を反映し、特別な意味が込められることもあります。 本展ではそうした風景画の魅力や意味を探るため、パーツに注目します。風景画には、実際の風景をそのまま切り取ろうとするだけでなく、画家が画面上で空、海、山、人物、建物などのパーツを自由に選び取り、組み合わせることもあります。 このような考えのもとに「人」「地面」「山」「建物」「道」「水」「空」とパーツごとにテーマを設けて会場を構成し、様々な時代や地域の作品をご覧いただきます。それぞれのパーツの役割、ひいては風景表現のしくみの奥深さに着目していただければ幸いです。 東洋と西洋、江戸と現代が同居する、幅広いコレクションを誇る当館ならではの新鮮な視覚体験をお楽しみください。
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