記録映画のアーカイブを活用して、映像を用いた多様な研究・教育の可能性を再発見する連続ワークショップ(研究上映会)。第8回目は、企業によって製作された劇映画仕立てのPR映画を取り上げます。 昭和30年代――。「もはや戦後ではない」新しい社会の建設がスタートしました。そんな中、経営者たちによって支持され、企業の重要なコミュニケーション戦略となったのが、アメリカから輸入された「パブリック・リレーションズ」、略して「PR」でした。 なかでも注目されたメディアは映画でした。造船、鉄鋼、繊維、化学、電力など、主要産業は、当時「産業映画」とも呼ばれたPR映画の製作に力を注ぎ、年間百数十本をこえるPR映画が作られました。 今回のワークショップでは、それらの中から、一風変わった劇映画仕立てのPR映画2本を紹介・上映します。物語としてのPR映画を通じて、企業がいかに公衆(あなた)との関係を築き、企業や産業界の