100分の1秒を争う男子100メートル走で、ジャマイカのウサイン・ボルト選手が自身の持つ世界記録を一挙に10分の1秒以上縮めて世界中の話題をさらった。片や、ウォール街をにぎわしているのは、「100分の3秒」をめぐる新旧取引所の暗闘だ。 火種となったのは「フラッシュトレード(超高速取引)」と呼ばれる電子取引。3年前に本格的に導入されて以来、ほとんど問題視されていなかった取引手法が、この夏、忽然と悪者として俎上に載せられた。 「チラ見せ」サービスで客寄せ 株式の現物取引をめぐる米国のプラットフォームは、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を筆頭に、ハイテク銘柄を中心に扱うナスダック市場、地方取引所、ネットワーク上で売買を成立させるだけの準取引所などが乱立している。 取引の場が増えれば、同一銘柄の株価に差が生じやすく、公正取引の維持が困難になる。このため、米証券取引委員会(SEC)は「ナショナル・