前回は、残念な結果に終わった「STAP細胞(と呼ばれたもの)」について解説しました。今回は、幹細胞ではないのですが、世界で初めて培養することに成功した「HeLa(ヒーラ)細胞」についてお話します。幹細胞の画期性と問題のうちいくつかは、このHeLa細胞に遡ることができるのです。 1951年まで、ヒトの細胞を培養すること、つまり生かしたまま増やすことはできませんでした。動物の細胞を培養することはできたのですが、動物の細胞は動物の細胞です。ヒトについて細胞レベルの研究をするためには、ヒトの細胞がどうしても必要でした。 その年の2月、当時31歳だった黒人女性ヘンリエッタ・ラックスは、下着に血が染みているのを見つけて、メリーランド州のジョンズホプキンズ大学病院を受診しました。医師が子宮頸部を検査したところ、腫瘍を見つけたので、採取して検査にまわしました。腫瘍は悪性でした。放射線治療の甲斐なく、がんは
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