大腸内視鏡は大腸がんやポリープを発見し、大腸がんを防ぐ効果が知られています。しかし、あまりに高齢で検査しても効果は限られています。70歳以上の人で効果があるかが調査されました。 70歳以上の全大腸内視鏡検査の効果 アメリカのハーバード大学などの研究班が、70歳以上の人を対象とした全大腸内視鏡検査の効果について統計解析を行い、結果を医学誌『Annals of Internal Medicine』に報告しました。 この研究は、アメリカの統計データを解析したものです。 2004年から2012年のデータを使い、70歳から79歳で特に大腸がんになりやすい背景がなく、直前5年以内に全大腸内視鏡検査を受けていない人を解析の対象としました。 全大腸内視鏡検査とは、内視鏡で大腸の全体を観察する検査です。大腸内視鏡検査にはほかに、大腸の一部にあたる肛門に近い部分だけを観察する方法(S状結腸の内視鏡検査)もあり
認知症を予防しようと多くの研究が重ねられてきましたが、効果は出ているのでしょうか。アメリカの政府機関が、これまでの研究から報告されている結果をまとめました。 軽度認知障害またはアルツハイマー型認知症を予防する方法の研究状況 アメリカの政府機関である医療品質研究調査機構(AHRQ)が、認知症を予防する方法について、文献の調査によってこれまでの研究から報告されている内容をまとめました。 調査対象は次の両方を含んでいます。 認知機能が正常な人の軽度認知障害の発症またはアルツハイマー型認知症の発症を防ぐか遅らせる方法の研究 軽度認知障害がある人のアルツハイマー型認知症の発症を防ぐか遅らせる方法の研究 軽度認知障害は正常な認知機能から認知症に至る途中の段階と考えられています。 訓練すると訓練したことに効果がある 採用基準を満たす263件の研究が見つかりました。 以下の結果が得られました。 2年間のト
症状がないのに検査で甲状腺がんを探すと、治療が必要ないものまで多く見つかってしまうという意見があります。検査の効果を見積もるため、研究報告の調査が行われました。 症状のない成人に対する甲状腺がんスクリーニングの利益と害 米国予防医学作業部会(USPSTF)が甲状腺がんの検査を勧められるかの判断のために参照した研究報告を紹介します。この報告は医学誌『JAMA』に掲載されました。 USPSTFとは? USPSTFは、医学研究から得られている証拠をもとに、予防医学として何が勧められるかを選ぶことを目的とした専門家の団体です。 USPSTFは大きな影響力を持っています。たとえば2012年にUSPSTFが前立腺がんの血液検査を行わないよう勧めたことで、アメリカでは50歳以上の男性に対して行われる検査が減りました。対して日本泌尿器科学会が「USPSTFの勧告(案)を今のわが国に適用することは適切でない
グルテンフリー食はまれな病気の治療に使われますが、アメリカでは関係ない人まで巻き込まれていることが問題視されています。グルテンと病気の関係を実際のデータに基づいて解析した結果が報告されました。 グルテンと冠動脈疾患の関連 アメリカの研究班が、統計データの解析からグルテンと冠動脈疾患の関連を計算し、結果を専門誌『BMJ』に報告しました。 アメリカのグルテンフリー事情 アメリカでは、「グルテンは体に悪い」「グルテンを減らすと健康になる」という思い込みから厳しいグルテン制限をする人が増え、医学的問題とみなされています。 関連記事:勘違いしてるアメリカ人激増中!グルテンフリー食は何に効く? グルテンは小麦など多くの食品に含まれています。セリアック病の治療ではグルテンを含む食品を一切摂らない厳しい食事制限(グルテンフリー食)も行われますが、非常に生活上の負担が大きい治療です。セリアック病がない人に理
男性は骨粗鬆症治療で骨折を防げるか? アメリカの研究者らが、文献の調査により、男性の骨粗鬆症または骨密度が低い状態に対する治療が骨折を防ぐ効果をまとめ、専門誌『Journal of the American Geriatrics Society』に報告しました。 骨粗鬆症は閉経後の女性で特に多く発生します。閉経によって女性ホルモンのバランスが大きく変わることが骨密度に影響します。この場合、女性ホルモンを補充するなどの治療法があります。ビスホスホネートなどの薬剤も主な選択肢です。 この研究は男性を対象としています。男性の骨粗鬆症は女性とは成り立ちが違うため、治療も別に検討する必要があると考えられます。 この研究は、過去の文献から関係する研究を検索して集め、結果をまとめたものです。 ビスホスホネートが有効 22件の研究結果が見つかりました。次の結果が得られました。 [...]対照群よりも椎体骨
禁煙したいと思っても簡単にはやめられないものです。禁煙を助ける治療として薬なども使えます。禁煙のためのグループ治療の効果について、これまでの研究でわかっていることが調査されました。 グループ治療による禁煙効果の研究 文献の調査によってグループ治療の効果をまとめ、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告された研究を紹介します。 この研究は、研究データベースを検索して、以前に行われた研究報告の内容を調査したものです。グループ治療として参加者が2回以上集まる方法をとり、治療開始から最低6か月以上の喫煙状況を追跡していた研究を調査対象としました。 グループ治療は、喫煙者のグループに対して行動を変えるための指導などを行う治療法です。参加した喫煙者が互いに助け合える側面もあります。 自助・短期支援よりも禁煙できた 関係する66件の研究が見つかりました。そ
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