「国語」と「ママ語」 温 信田先生、今日はお忙しいところ、どうもありがとうございます。私は、先生のお仕事にずっと関心をもってきたのですが、実際にお目にかかるのは今日がはじめてなので、じつはかなり緊張しています。けれど今回、先生の『増補新版 ザ・ママの研究』(以下『ザ・ママの研究』)を拝読して、これはもうぜひいろいろとお話しさせていただきたいと願っておりました。勉強不足の点も多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 信田 ありがとうございます。私も、この本と同時期に刊行された温さんの『「国語」から旅立って』を読ませていただいて、立ち位置は異なりますが、私の問題意識と重なるところを感じています。こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。 温 さっそくですが、私もずっと「ママ」を研究してきたようなところがあるんです。私の場合、三歳になる少し前に、父親の仕事の都合で台湾から日本に