日本におけるがんのうち、胃がんは長らく死亡率第一位でした。現在は、男性では肺がんについで第二位、女性では大腸がん、肺がんについで第三位です。胃がん死が減った理由には、ピロリ菌感染割合の低下、治療法の進歩、検診の普及、食生活の変化などがあると考えられます。 がん検診の有効性を厳密に評価するには、検診対象者を検診を受ける群と、受けない群とにランダムに分けて、胃がん死や進行胃がんがどれくらい起こるかを数えて比較しなければなりません。けれども、今となっては検診を受けない群を設定する臨床試験は倫理的に行うことができません。検診を受けない群に振り分けられた人が不利益を被るからです。同様に、早期胃がんが発見された患者さんを、手術群と放置群に分ける臨床試験も行うことができません。 しかし、早期胃がんを放置したらどうなるのか、まったくわかっていないわけではありません。ほとんどの早期胃がんは治療(外科的切除ま
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