兵庫県内の医療機関で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次ぐ中、他の疾患で入院している最中に感染した患者が、症状が悪化してもコロナ対応の基幹病院に移れないケースが起きている。コロナ患者向けの病床が逼迫(ひっぱく)しているためで、12月中にこうした患者のうち、少なくとも6人が死亡していたことも分かった。 兵庫県などによると、11月以降、県内では100人規模を含むクラスターが医療機関21カ所で発生した。感染者の急増を受け、県は医療機関や福祉施設で感染した入院患者・入所者らは、重症者を除き、そのまま同じ病院・施設に滞在してもらう方針とした。12月30日午前0時現在で、こうした患者は249人に上る。井戸敏三知事は今月24日の会見で「無症状や軽症」の場合は「コロナの治療と併せ、既存の疾患の治療を続ける入院患者はあえて転院していない」としていた。 だが実態は深刻だ。県内のある病院ではク