あらゆる物体はその温度に応じて電磁波を放射していてこれを熱放射(熱輻射)という[4]。放射する電磁波のエネルギー量は、その表面温度(絶対温度)の4乗に比例する(シュテファン=ボルツマンの法則)[1][4]。放射する電磁波の周波数(波長)は連続スペクトル分布をとるが、温度が高い物体ほど波長の短い電磁波を強く出す[4]。 地表からの熱放射はほぼ赤外線である[1]。太陽からの日射が地面を加熱するのに対して、地表からの熱放射は地面を冷却する。また地面からの蒸発や冷たい空気への熱移動も地面を冷却する方向に働く[1][5]。これに対し、大気自身は赤外線を熱放射して(大気放射)地面を保温する働きをもつ[5][6]。 地表面における放射冷却は、日射と下向き(地面向き)の大気放射、その他の熱源からの加熱に比べて、地表からの熱放射が大きいときに起きる[6]。晴れて風の弱い夜にこれが最も強まり、地面付近の空気は