日本の景気の悪化は、生産・在庫・雇用の調整の形で、ますます進行しつつある。 2009年2月の月例経済報告によると、景気の基調判断は5ヶ月連続で下方修正され、「急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」へとより踏み込んだ判断が示された。5ヶ月連続の下方修正は、ITバブル崩壊時の2001年2月~6月以来のことである。個別項目のうち、消費については「このところ弱含んでいる」から「緩やかに減少している」へと2ヶ月連続下方修正された。しかも「減少」という表現が盛り込まれたのは初めてのことであり、消費の不振は、金融システム危機のあった1998年頃に「低調」という表現が用いられたのと同じぐらいの深刻さであるという。世界経済については「世界の景気は後退しており、急速に深刻化している。先行きについては、金融危機と実体経済悪化の悪循環がさらに強まり、一段と下振れするリスクがある」と、「悪循環」の文言が加わった