阪神元監督の故野村克也氏は「4番は育てられない。出会うもの」と説いた。名将の追悼試合となった29日のヤクルト戦(甲子園)で、4番から降格となった阪神・大山悠輔内野手(26)はその器ではないのか。 2位巨人と最大8ゲーム差から2・5差まで一気に迫られ、尻に火がついた矢野監督は打線を組み替え。18日のリーグ戦再開後9試合で打率・194と打線の切れ目になっていた大山を4番から6番に下げ、代わりにサンズを4番に据えた。効果はてきめん。1点を追う2回に2死から7連打で一挙5点を奪い、よりによって大山の右飛で猛攻は終了となった。 数字はウソをつかない。主砲に求められる得点圏打率はリーグ最下位の・203。昨季28本塁打、85打点で4番に定着したはずが、ここに来て大山はチームの急失速の戦犯に祭り上げられ、関西メディアでは「4番から外せ」「このまま復調を待て」と論争が激化。20日に今季初の3タテを喫すると、