これまで説明してきた「四つの約束」は会社の理念である。これに対して,これから説明する「六つの仕掛け」は実際の開発作業を支える考え方と仕組みである。今回は「ソフトウエアの規模を正しく見積もる」「作業プロセスの設計と基準作業時間を設定する」「分割と並行開発を進める」という三つの仕掛けを説明する。 仕掛け1:ソフトウエアの規模を正しく見積もる ソフトウエア開発の歴史の中で見積もりほど不安定なものはない。特にJavaのように資産の数が多く,フレームワークや自動生成,部品の活用が一般的な開発言語を使う場合には,従来のステップ・ベースの見積もりでは対応できなくなってきた。つまり,規模が算定できないものを作っているのがプログラミングの世界である。これでは工業化も生産性も何も議論ができないことになる。まずは規模を基準で測定して決定できるようになることが重要である。 富士通アプリケーションズは2004年に,