- (安全保障を考える)同盟の歴史に学ぶ 東大名誉教授・三谷太一郎さん 2014年6月10日 「敗戦直後、日本が負けたのは国民の努力が足りなかったからだと言った指導者を、忘れられません」=早坂元興撮影 政治を考えるとき、歴史に学ぶことは欠かせない。近代日本は三つの同盟を結んだ。戦前・戦中の日英同盟と日独伊三国同盟。この二つはいずれも戦争の導火線となった。そして、戦後、現在に至る日米同盟といわれる日米安保。これらの歴史から、今日の集団的自衛権論議は何をくみとるべきか。日本政治外交史が専門の三谷太一郎東大名誉教授に聞いた。 ――政府与党が集団的自衛権の行使に向けた議論を進めていますが、歴史の文脈の中で、この問題をどうとらえたらよいのでしょうか。 「最初にお話ししたいのは、戦後も68年が経過して、日本人の戦争観が、敗戦直後とは大きく変化したということです。憲法9条の前提となっていた日本人の戦争観