目黒公証役場事務長拉致事件と地下鉄サリン事件が起きて24年。オウム事件を契機に、犯罪被害者がおかれる状況は大きく変わった。それを先導してきたのは、被害者自身だった。両事件の遺族である假谷実さんと高橋シズヱさんが、16日に開かれた「地下鉄サリン事件から24年の集い」で、この24年を振り返る対談を行った。題して「被害者の権利獲得から死刑まで」。コーディネーターは、オウム真理教被害対策弁護団の一員で、假谷さんの代理人の伊藤芳朗弁護士が務めた。 事件直後は「想定外」「心が固まった」目黒公証役場事務長拉致事件の被害者假谷清志さんの長男実さん――一言で「被害者」といっても一様ではない。自分が被害に遭った方もいれば、御遺族もいる。御遺族でも、事件の予兆があるなしなど、それぞれ違いがある。 假谷 父の妹がオウムに入信して、出家を求められた時に、道場から逃げ出し、我が家に逃げ込んだ。「オウムから逃げたい」