2016年8月8日、新宿街頭の大画面で流れる天皇陛下(当時)のビデオメッセージを見上げる人々 (c)朝日新聞社 国民主権の国家だが、天皇、皇族という例外的な身分制度がある。この制度をどう見るか。また、皇族の人権をどう考えるか。AERA 2021年11月1日号で、歴史学者の河西秀哉さんと憲法学者の木村草太さんが議論した。 【写真】祝賀式典で目元をぬぐう皇后さまと天皇陛下 * * * 河西:戦後史をテーマにしていますが、天皇、皇族の意思を国民がどう受け入れるかは難しい問題だと思っています。天皇、皇族の個人の権利は、憲法学からどう捉えられますか? 木村:一般的な見解では、天皇・皇族は憲法上の権利の保障対象ではありません。長谷部恭男先生は「身分制の飛び地」と表現します。憲法自身が、平等権をはじめとした近代的な人権保障規定を適用しない例外的な身分制を定めているということですね。 人権は保障される