音楽ジャンルを巡る議論というのは、いつの時代にも存在する。ミュージシャンにとって、自らの音楽をジャンルで語られることはあまり気持ちのいいものではないだろうが、その一方で、ジャンル名が付与されたことによって、誰かがその音楽を知るきっかけになるかもしれない。そして、ここ数年で最も議論を呼んでいるジャンル名といえば、もう何度目かわからないほどのリバイバルが叫ばれている「渋谷系」と、1980年代のリアルタイム世代と若い世代でその印象がまったく異なる「シティポップ」だろう。 初のフルアルバム『よろこびのおんがく』を発表する京都発の5人組SATORI。直接的にモータウンを連想させるファンキーな音楽性は、今だと「シティポップ」の枠に当てはまりそうだが、中心人物のハノトモはもともと渋谷系の大ファン。そこで今回対談相手として迎えたのが、渋谷系世代であり、ヒップホップをルーツに持ちながらもポップスへと接近して