少子高齢化に対応した年金の給付抑制が、一向に進まない。将来世代にしっかりとした年金制度を引き継ぐ上で、放置できない問題だ。 2016年度の年金額は、据え置きとなることが決まった。物価はやや上昇したが、現役世代の賃金が低下したため、改定ルールに基づき、物価・賃金の変動に伴う増減は行われない。 この結果、少子高齢化の進行に応じて自動的に給付水準を引き下げる「マクロ経済スライド」も実施要件が整わず、中止される。 マクロ経済スライドは、年金の改定率を物価や賃金の変動率より少し低くすることで、緩やかに給付水準を下げていく仕組みだ。年金財政の安定化のため、04年の制度改正で導入された。 問題は、物価や賃金が下がるデフレ下や低成長時の適用を制限するルールがあることだ。高齢者の生活を考慮して設けられた。 この制限により、導入後も実施されず、年金水準の高止まりを招いた。15年度に初めて適用されたが、再び実施
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