電話を切ったら隣で聞いていたひとが「いま鳥肌立ちました。すごいですね!」と言うので、相変わらず褒められると瞬間、身構えて落ち着かなくて不安と恐怖を覚えることに気がついてちょっと笑った。 褒め言葉は額面通り受け取らない。美辞麗句を信じない。浮かれない。だってまだまだだもの。少しだけ頑張ってるんだって認めてもらったくらいにしよう。でも、否定すると相手の気分を害してしまうし、謙遜もほどほどにしないと相手を否定してさらに褒め言葉をもらういやな儀式。…がちがちに固めたものがそう簡単に消えてなくなったりはしない。 でも、もう、単純に嬉しがろう。それがどんなものでも。うれしいって言おう。 そう決めて、そうしてみて、それだけのことではじめて知ったことがあった。なんでこんな簡単なことに気づかなかったんだろうっておかしかったんだけれど、その返事でだいたい合ってたときその先にあったのはそれがなぜかという話だった