ブックマーク / white-cake.hatenadiary.com (6)

  • 宇宙ひとつぶんの向こうで - wHite_caKe

    ヒソダさん(仮名)はとてもいい人です。 いい人だよね、と言われる人は大勢います。というか世の人々の多くは、「どちらかといえばいい人」に入るのではないでしょうか。 ですから、「いい人」ってのは別に珍しい存在ではありません。 けれど、ある人にとって「いい人」に思える誰かが、別の誰かにとってはちっとも「いい人」なんかじゃないってことも、よくある話です。 そういう意味では、ヒソダさんはとても珍しい人でした。だって誰もが、彼を「いい人」と褒めるのですから。 ヒソダさんてああ見えて実はちっともいい人じゃないよね。そんな陰口を一切叩かれることがなく、 「ヒソダさんてどんな人?」 という問いに皆が口をそろえて 「いい人だ。とてもいい人だよ」 と答えるというのは、なんだかすごいことだな、と十年前の私は思っていました。 その日も私は、「ヒソダさんはいい人だね」と言いました。 すると友人のルルカ(仮名)は、ぎゅ

    宇宙ひとつぶんの向こうで - wHite_caKe
    meltylove
    meltylove 2011/09/19
    うん、よかった。シロイさんの物語、文章好きです。ヒソダさん的な心のありかた関われるかどうかを幸せ問題の一つだと認識してる。
  • 好きなひとにそんな質問されたいぞ私は - wHite_caKe

    くるさりんど - 「私のどこが好き?」と訊く女はどう答えたら一体満足なのか? 「私のどこが好き?」という質問は禁じ手にして欲しい。 じゃあ「私のどこが好き?」と訊く女はどう答えたら一体満足するのか? えー、これ男女逆にして考えたときに私、自分が好きな男性に、「おれのどこが好き?」とか言われたら、ちょう張り切って答える絶対、すげえうきうきするよもう、だって普段自分が思っていること全部言ったらびっくりされてひかれちゃうだろうなあ、と思いながら控えて控えて生きているわけで、それをこんな風に好きなだけ表現できる機会が与えられたら、それははっきり言って、「嵐の解禁」みたいなもんですぜダンナ。 「目が好きで、鼻が好きで、耳のかたちが好きで、眉間のしわが好きで、においが好きだよ。声が好きで、しゃべり方が好きで、言葉の選び方がとても好き。ぶっきらぼうに言葉を投げつけるときも好きだけど、少し恥ずかしそうに優

    好きなひとにそんな質問されたいぞ私は - wHite_caKe
  • いつも心にサリコさん - wHite_caKe

    欧米の結婚式には欠かせない、「ベストマン」って何か知っていますか? 新郎のアシスタントとして、そして、婚姻の証人として、結婚式前の「バチェラーズ・パーティー」*1から、式が終了するまで、新郎をサポートするひとのことです。 ベスト・マンの最も大切な役目は、婚姻証明書と指輪を持っていくこと。 たいていはこの役割は、新郎の親友が務めます。*2 中世ヨーロッパでは、結婚は略奪婚で、新郎は友人とチームを組んで、花嫁を家族から連れ去ったそうです。当然この方式にはいくらかの危険がつきまといますね。 そんで、ベストマンというのは、その頃始まった習慣なんですって。 ベストマンは新郎に 「お前にもしものことがあったら、おれが代わって戦い、指揮をとる」 と請け負う役目でもあったわけです。ベストマンがいるからこそ、新郎は戦える。 そんでね。 私はこのベストマンの話をきいたとき、ちょっと考え込んでしまいました。 現

    いつも心にサリコさん - wHite_caKe
    meltylove
    meltylove 2006/10/17
    信頼という言葉を厳密にはこのあたりに置いて使っている。だから、信頼している、は滅多に言わない。語り口とか構成とかが洗練されていて、この種の『文章力』には憧れるものがあったりする。
  • 今日思いついたこと - wHite_caKe

    ある種の善良さは、ある種の知性の表れである。 それゆえに、ある種の邪悪さは、ある種の知性の欠如を意味する。

    今日思いついたこと - wHite_caKe
    meltylove
    meltylove 2006/09/09
    知性と善良の関係については昔から頻繁に考えてしまう。ので、シンプルできれいな把握を素敵だと思った。参考情報。
  • 時々、会いに行く - wHite_caKe

    息が詰まるような暗い夜、自己嫌悪で気持ちがぐんぐんと急降下している自分に気付き、何もかもを終わらせたいと願うとき。 私は時折、『彼女』に会いに行きます。 小学校一年生の『彼女』のクラスには、普段はにこにこしているのに、怒りが体内に満ちると、おそろしいほど粗暴な振る舞いに及んでしまう少年がいました。 身体が大きくて力の強い彼が暴れ始めると、クラスメートは全員、彼の傍から逃げ出します。机と椅子を倒し、ノートを引き裂き、暴れ、目に入るものを全て殴りつけ蹴りつける彼は、皆から恐れられていたのです。 ある日、彼はいつものように怒りの発作に見舞われ、クラスメートの女の子を殴りつけたあと、髪を掴んで床に引き倒すと、どかどかと蹴りを入れました。 大人のいない教室で、子どもたちはどうすればいいのかわからず、壁際に集まって目を見開き、震えていました。 女の子は泣き声をあげ、彼はうつぶせに倒れたまま身動きできな

    時々、会いに行く - wHite_caKe
    meltylove
    meltylove 2006/06/03
    ほんとうに綺麗だなあ。とても好きだ。
  • ヒーローはここに - wHite_caKe

    ヒーローがいない、と君はこぼす。 辛いのに、苦しんでいるのに、誰も助けにきてくれない。 仕方のないことではあるけれど、それでもヒーローがいてくれればどんなにいいかと思うよ、と。 誰も自分を救ってくれないというのは、なんて孤独なんだろうね、と。 ああだけど君、それは違う。 ヒーローはいるんだ。当にいるんだよ。私はそのことを知っている。 この世界には君を救うために知恵を絞り、死力を尽くす、君専属のヒーローがいるのさ。 ただまあ……そのヒーローは君にとっては確かに少し、頼りなく思えるかもしれないけどね。 空も飛べないし、怪力の持ち主ってわけでもないし、超能力も持っていない、 ごく当たり前の、生身の人間なんだよね、君のヒーローは。 それじゃ物足りないって? まあ、その気持ちもわかるけど。 けれど生身のヒーローというのはある意味、誰よりも勇敢だと、言えるんだよ。 空も飛べない、力も強くない、もちろ

    ヒーローはここに - wHite_caKe
    meltylove
    meltylove 2006/06/03
    綺麗で素敵な語りだと思った。
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