らせん状に渦巻く、特注の本棚。引き戸や段違い構造に最初は面食らうが、これが魅力=東京・丸の内(中鉢久美子撮影) ■古書も新刊も漫画も並ぶ 今年は国際読書年。出版不況が長引く中、今までの書店とは全く違う「顔が見える本屋」で、本が売れている。東京・丸の内の丸善本店内4階の一角を占める「松丸本舗」。丸善が昨年10月、創業140周年を記念し、編集工学研究所所長の松岡正剛さんにプロデュースを依頼。段違いの本棚に横積みの本が混じり、新刊と古書と漫画が隣り合う、松岡さんの存在感と遊び心があふれる本棚だ。同本舗の客単価は通常の書店の倍額、3千円を超えるという。(飯塚友子) ◇ 松丸本舗に一歩入ると、まず戸惑う。中規模書店程度の215平方メートル5万冊の空間だが、新刊、ノンフィクション…などこれまでの書店のジャンル分けは一切無し。著者別の棚もなく、あるのは読書家で知られる