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ブックマーク / civicbooks.blog39.fc2.com (1)

  • 本の紹介 山本夏彦という書き手

    私の世代は、戦前は封建的で暗い世の中だったと教えられて育ちました。「それに比べて戦後の民主主義はすばらしい」と強調したいわけです。  山夏彦という意地悪爺さんみたいなキャラの随筆の書き手がいるということは、かなり早い時期から知っていました。『室内』という業界紙の出版をしていて、その社主自ら書く文章が面白いと近所に住んでいた神戸大の先生から母が聞いたのが伝えられたのでした。ただし、『室内』は定期購読するか注文しなければ入手できず、いつか読みたいと願っていたものでした。  その書き手による随筆が『文藝春秋』など一般誌に載るようになり、やがて文庫にも入るようになっていました。うかつにも同一人物だと長らく気づかずいたところ、こちらは誠実なクリスチャンという感じの評論家・山七平氏との対談が出版されて気が付いて、益々夏彦さんに傾いたものでした。戦前の不平等社会は、豊かな者に世間体を守る精神的義務が

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