これまでの議論は、私個人の感情が下に敷かれているとは言え、その気になれば誰でも確認できる事実に基づいて、進めてきました。今回は、趣向を変えて、バラク・オバマという人物の内側に私の想像力を潜り込ませて、この天才的に頭脳明晰な黒白ハーフの男が何を考えて、今の行動を取っているかを探ってみたいと思います。 「バラク・オバマが強烈な権力意志の持ち主である」−−これが、これからの議論の最も基本的な仮定です。歴史の現時点で、アメリカ合衆国大統領に勝る権力の座はありませんから、この座に就くことを志向する人間が強烈な権力意志の持ち主であることは、「仮定」と呼ぶより、事実と断定してよいでしょう。アメリカ合衆国大統領の座に就くことを自分に対する至上の命令と決めた人間が先ず一番に目指すのは、「とにかく選挙に勝つ」ということでなければなりません。選挙に勝つ為には、それを可能にする選挙地盤、票田、英語でいうコンステ