米国で２００１年に起きた同時多発テロの際、ニューヨーク近郊で多くのイスラム教徒が喜んでいた――。米国の大統領選候補、ドナルド・トランプ氏のこんな発言が物議を醸している。「確認できない」との指摘が相次ぎ、共和党内からも反論が出ているが、トランプ氏は「テレビで見た」と譲っていない。 世論調査で共和党の支持率トップを走るトランプ氏は、１１月のパリ同時テロ事件の後、イスラム教徒に対して批判的な言動を強めている。１１月の集会では、ニューヨークの世界貿易センタービルがテロで崩壊した時、ハドソン川を挟み、アラブ系の人が多く住むニュージャージー州で「何千人もが喝采を送っていた」と発言した。 米メディアなどから批判を浴びても、トランプ氏は「自分は見た」「私はすごく記憶力がいい」と繰り返し、「陣営にも、目撃したという何百人ものひとから連絡が来ている」「世界中でイスラム教徒が狂喜していた」と語っている。 同時多

中国各地の幼稚園や小中学校で児童・生徒らに鼻血やめまいの症状が相次ぎ、校庭に敷設した人工素材の陸上トラックからの化学物質が原因と疑われている。中国メディアは「毒トラック」と大きく取り上げ、当局も対応に追われている。 報道によると、１０月以降、上海市、浙江省、江蘇省、広東省などで、子どもたちの間に鼻血やめまい、発疹、かゆみなどの症状が頻発。最近敷設された陸上競技用のトラックから異臭がしたことから、素材や敷設する際に使われた接着剤に含まれる化学物質が原因とみられている。 教育省は各地の政府に対し、問題があるトラックの使用中止や調査を指示。だが、その後も同様の事例が相次ぎ、広東省深圳では１１月中旬、数十人の保護者が「子どもたちを助けて」などと書いた垂れ幕を掲げて市政府に抗議した。 人民日報系のサイト「人民網」によると、陸上トラックの施工には以前、一定の技術水準などが必要とされていたが、今年から規

著書「帝国の慰安婦」で元慰安婦の名誉を傷つけたとして在宅起訴された韓国の朴裕河（パクユハ）・世宗大教授（５８）が２日、ソウルで記者会見した。朴氏は「元慰安婦を批判したり、おとしめたりする本を書く理由がない」と強調。検察に対し、「非人権的な起訴に強く抗議する」と訴えた。 記者会見には日韓や欧米メディアから５０人を超える記者らが参加した。朴氏は慰安婦問題をめぐり、日本の否定論者は「売春婦だった」と主張し、韓国の支援団体が「無垢（むく）な少女」というイメージで取り上げてきたとした。そこで、慰安婦がそもそも、どんな存在だったのかを考えるために執筆したなどと説明した。 著書で慰安婦を「自発的な売春婦」などと表現したことが批判されたが、「売春婦であれば被害者ではないという考えに基づいたものだ。その苦痛は奴隷と変わらない」と反論した。「日本軍と同志的な関係」との表現についても、日本による植民地支配で「日

過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）掃討作戦を主導する米軍が、人質救出やＩＳ幹部拘束のため急襲部隊をイラクに派遣し始めた。カーター米国防長官が１日、下院軍事委員会の証言で明らかにした。この部隊はシリアにも展開し、ＩＳと戦う反政府勢力を支援する。 米軍はこれまで、戦闘には加わらず、ＩＳと戦うイラクの部隊に作戦の助言や情報収集の支援をする軍事顧問団を派遣していたが、地上戦への関与がより深まることになる。パリの同時多発テロなどを受け、有志国連合諸国から、効果的な作戦を求める声が高まっていた。 カーター氏によると、作戦はイ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。

北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の外相理事会が１日、ブリュッセルで始まった。ロシア軍の戦闘機がトルコ軍に撃墜された事件や、パリの同時多発テロ事件にも関与したとされる過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）が中東で勢力を広げていることを受け、同盟国トルコの防衛能力強化を支援することで合意した。 声明によると、トルコと国境を接するシリアやイラクの情勢が「かなり不安定」として、「ＮＡＴＯが追加の（安全の）保障措置をとり、同盟国は可能な貢献をする」ことを決めた。具体的には、トルコ沿岸部への軍艦の派遣やミサイル防衛の強化などが想定される。ストルテンベルグ事務総長は会見で、撃墜事件でロシアとトルコ双方に対話による解決を求める一方で、トルコの防衛強化の計画は「数週間以内に決定される」との見通しを示した。 外相理事会は同日、アフガニスタンに現在駐留している約１万２千人の訓練主体の部隊を１６年末まで維持することも決めた

パリの同時多発テロで、コンサート中のホールが襲撃された米国のロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」が「自分たちの歌をカバーして、その収益を被害者の遺族に寄付してほしい」とミュージシャンたちに呼びかけている。米メディアが伝えた。 カバーを呼びかけているのは「アイ・ラブ・ユー・オール・ザ・タイム」というラブソング。今年発売されたアルバム「ジッパー・ダウン」に収録されている。「いつも君を愛している」と言いながら、「でも、君が見つめているのは別の男だ」と切ない思いを表現している。「なぜなのか言ってくれ」など、フランス語のフレーズも交じっている。 アレンジする音楽のジャンルは問わず、ロックに限らず、ヒップホップでもカントリーでも何でもいい、としている。メンバーのジョシュ・オムさんが、ミュージシャンの友人たちに「時間と才能、善意を与えてほしい」とメッセージを送ったという。 襲撃があったコンサー

１１月の米国の新車販売台数で、排ガス規制逃れ問題に揺れる独大手フォルクスワーゲン（ＶＷ）は前年同月比２４・７％減の２万３８８２台となり、大幅に落ち込んだ。米調査会社オートデータが１日発表した。日米の主要メーカーのほとんどが前年実績を上回るなかで、ＶＷの販売面の不振が際立っている。 米市場全体は、前年同月比１・４％増の１３１万９９１３台だった。このペースで１年間販売が続いたと想定した年換算の販売台数は１８１９万台。景気回復を追い風に、好調な販売を維持している。 ＶＷが排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に不正なソフトウェアを搭載していたことが発覚したのは９月１８日。１０月の販売は前年同月に比べて０・２％増とほぼ横ばいだったが、１１月に入って米消費者の「ＶＷ離れ」が表面化した。ＶＷは、米当局から不正の指摘を受けた車種の販売を停止している。 スポーツ用多目的車（ＳＵＶ）がよく売れたトヨタ自動車は

オバマ米大統領は１日、国連気候変動会議（ＣＯＰ２１）が開かれているパリで記者会見し、地球温暖化対策の新たな国際枠組みについて、部分的に法的拘束力が必要になるとの認識を示した。米国はこれまで拘束力を持つ枠組みには難色を示していたが、一部容認に転じたことで交渉が前進しそうだ。 次期枠組みでは、各国は温室効果ガスの削減目標を自主的に掲げて対策に取り組む。オバマ氏は、それらの目標を５年ごとに見直す「法的拘束力がある単一の透明性がある仕組み」が枠組みの合意案に盛り込まれるべきだとの見方を示した。目標の点検を義務づけることで達成を確実にし、取り組み全体の引き上げにつなげる狙いがある。 これまで１８５カ国・地域が自主的に目標を掲げた。ただ、それらが達成されても温暖化の深刻な影響を避けるのに必要な気温上昇を２度未満に抑える国際目標は達成しそうにない。オバマ氏は「科学や技術は変化するから、５年後、１０年後、

トルコの最大都市イスタンブールで１日夕、地下鉄駅に近い道路付近で爆発が起き、イスタンブール県知事は１人が軽傷を負ったと発表した。ドアン通信は治安当局関係者の話として、筒状の手製爆弾が爆発したと報じた。 現場はイスタンブールの欧州側にある地下鉄バイラムパシャ駅から約１００メートル離れた高架道路付近。トルコ紙ヒュリエットによると爆弾は道路脇に置かれ、警察の機動隊員を乗せたミニバスが通過した約１分後に爆発したといい、警察関係者を狙った可能性もある。 爆発音はイスタンブール中心部の広い範囲で聞こえた。爆発は夕方のラッシュアワーに起き、地元行政当局は周辺の地下鉄の運行を停止させ、治安当局が他にも爆弾がないか捜索、警備態勢も強化した。 トルコでは１０３人が死亡した今年１０月の首都アンカラでの連続自爆テロなど、市民を狙った爆弾テロが続く。イスタンブール市民の間では不安が高まっている。（イスタンブール＝春

来年１１月の米大統領選に向け、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官が着実に地盤固めを進めている。支持率は５割超で安定し、１１月３０日には民主党女性上院議員１４人のうち、支持を表明した１３人を集めて選挙資金パーティーを開き、女性の機会平等を訴えた。 「女性の機会や賃金が平等であるべきだと私は強く信じている」。３０日、ワシントンのホテルで１３人の女性上院議員が見つめるなか、クリントン氏が訴えると会場が沸いた。 女性のみならず、民主党の上院議員４６人のうち８割強の３８人がクリントン氏支持を表明。同党の下院議員の７割強からも支持を獲得し、米議会の同党議員の大半の支持を固めつつある。 また、建設労働者など５０万人… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員にな

シリア内戦に加わっている国際テロ組織アルカイダ系「ヌスラ戦線」は１日、レバノン軍兵士と警察官の捕虜計１６人を解放した。一方、レバノン当局は収監中のイスラム過激派ら１３人を釈放し、捕虜交換が成立した。１３人の中に過激派組織「イスラム国」（ＩＳ）の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者の元妻もいる。衛星テレビ局アルジャジーラなどが報じた。 ヌスラ戦線は２０１４年８月、ＩＳ戦闘員とともにシリア国境に近いレバノン北東部でレバノン軍と交戦し、兵士ら２０人以上を拘束。カタールの仲介で捕虜交換の交渉が続いていた。バグダディ容疑者の元妻は１４年１１月にレバノン北部で逮捕されていた。 レバノン軍の兵士のうち９人はＩＳの拘束下にあるとされる。レバノン政府当局者は、ＩＳとも捕虜交換の交渉をする用意があるとロイター通信に語った。（カイロ＝翁長忠雄）