イラク政府軍は29日、過激派組織「イスラム国」(IS)が最大拠点としてきた北部モスル中心部にあるヌーリ・モスクを奪還したと発表した。ISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が説教をするなど、ISによる支配を象徴する場所だ。イラクのアバディ首相は奪還を受けて、「ISによる偽りの国家は終わった」と宣言した。 ヌーリ・モスクは1172年に建てられ、傾いた塔で知られる。だが、政府軍によるモスル奪還作戦で市中心部の旧市街に追い詰められたIS戦闘員が21日、自らの手で爆破した。現在はドーム部分など一部だけが残っている。 ISは3年前の2014年6月29日、広報担当者による音声メッセージで、「カリフ制国家」の樹立を宣言。同7月にはバグダディ容疑者がこのモスクの金曜礼拝に姿を現し、説教する様子を映した動画をインターネットなどで発信した。(ドバイ=渡辺淳基)
オーストラリアのビクトリア州警察は29日、同国出身でローマ法王庁(バチカン)財務事務局(財務省)長官のジョージ・ペル枢機卿(76)を複数の子どもたちを性的虐待した罪で起訴したと発表した。ペル枢機卿はバチカン財務改革の中心人物で、フランシスコ法王の側近の一人。 公共放送ABCによると、ペル枢機卿は1970年代に同州内で性的虐待をした疑いで捜査されていたが、潔白を主張してきた。7月18日に裁判所への出廷を求められている。ペル枢機卿は29日、バチカンで会見し、「私は無実であり、告訴は事実に反する」と述べた。 一方、バチカンは29日、起訴について「遺憾」とする声明を発表。ペル枢機卿は真実を明らかにするために帰国し、フランシスコ法王もペル枢機卿が自身を弁護するために休職することを認めたと明らかにした。 声明は「法王はペル枢機卿の3年間の仕事における誠実さに感謝している」として、バチカンの経済、行政改
北朝鮮の秘密警察、国家保衛省などは28日、韓国の朴槿恵(パククネ)前政権が金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の追い落とし工作を行ったとして、朴氏らに「極刑」を宣告する声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。 声明では、工作を「特大型の国家テロ犯罪」と決めつけ、朴氏らに対して「最高の極刑に処する」と主張。「わが国の刑法にのっとって最も重い刑事責任を負うべきだ」として韓国政府に朴氏らを速やかに北朝鮮に引き渡すよう要求し、米韓両国が今後、正恩氏の追い落とし工作を更に行った場合は「その組織者、加担者、追従者は戦時法にのっとって事前通告なしに処刑する」と宣言した。 声明は韓国を揺さぶる政治工作の狙いがありそうだ。 一方、韓国の情報機関、国家情報院は、追い落とし工作の存在について「事実無根」としている。(ワシントン=牧野愛博)
獄中で末期の肝臓がんと診断され、刑務所外の病院に移送された中国の著名な人権活動家、劉暁波(リウシアオポー)氏(61)の獄中での様子を撮影した動画が28日にネット上にアップされ、中国国内で広まっている。医師の診察や検査の様子が撮影されており、処遇に問題がなかったことを当局が強調しようとしているとみられる。 約3分の動画では、劉氏がCTなどの詳しい検査を受けている場面が映され、医師とのやりとりでは、劉氏は30代から肝臓に問題があったことを示す内容になっている。 多くの専門医が劉氏の病状を検討している会議の場面もあり、劉氏が「私の健康にとても関心を持ってもらい、感激している」などと当局への感謝を口にする場面もあった。ただ、具体的な撮影日時は不明だ。 また、劉氏が獄中でバドミン…
時折響く爆弾の音。空に上がる黒煙。2014年6月に「イスラム国」(IS)に武力制圧されたモスルは今、イラク政府軍などによる解放作戦の最終局面を迎えている。 6月23日午後、モスル旧市街から約1キロ離れた応急救護所には、ISの支配地域からイラク軍の装甲車で救出された人々が集まっていた。着衣は汚れ、やつれた人もいる一方、家族と再会し泣き崩れる人、解放を喜びピースサインをする人の姿も見られた。ISの戦闘員が紛れ込んでいる可能性があるため、集まった人々は避難民登録所へと促されていった。 モスル中央を流れるチグリス川の西側では、解放された地区でも、まだ地雷などが埋まっている。米国主導の有志連合の空爆によって破壊された建物が目立つ。住民の姿も時折見かけるが、荒廃したモスル復興の道のりは長いものになりそうだった。(杉本康弘) ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1
中南米最大の左翼ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)が27日、コロンビア政府との和平合意に基づき、戦闘員約7千人の武装解除を終えた。半世紀にわたる武力闘争に終止符を打つ歴史的な節目だ。銃を捨てた戦闘員の多くは一般市民として社会復帰し、FARCは政治政党に生まれ変わる。ゲリラの一時居住区を訪れると、将来への希望と不安が交錯していた。(コリナス=田村剛) 「銃を手放した時は正直少し寂しかった。19年間ずっと一緒だったから」。同国南部グアビアレ県のコリナス。全土に26カ所あるゲリラの武装解除のための一時居住区の一つだ。ダマリス・マルティネスさん(32)は、愛用の自動小銃を国連派遣団に引き渡した気持ちをそう振り返った。 貧しい農村に生まれ、13歳でFARC戦闘員になった。和平の最終合意直前の昨年9月、記者が別の野営地で出会った時には戦闘服に身を包み、自動小銃や手投げ弾で武装していた。今はスマートフ
ティラーソン米国務長官は27日、国務省で会見し、中国が北朝鮮からの労働者を依然受け入れているとし、「中国は(北朝鮮との)共犯関係を終わらせる重要なステップを踏んでいない」と批判した。同省は世界の人身売買をめぐる2017年版の報告書で、中国を北朝鮮やシリアなどと並ぶ最低ランクにした。 ティラーソン氏は、北朝鮮について「推計で5万~8万人の北朝鮮市民がロシアや中国で強制労働に就かされ、その多くは1日20時間も働かされている」と指摘。海外に派遣した労働者からの送金が数億ドル(数百億円)に上ると語った。米政府はこうした資金が核・ミサイル開発に使われているとみている。 その上で、ティラーソン氏は「責任ある国家は、こうした強制労働の受け入れを許すべきではない」と述べ、中国を名指しで批判した。報告書は、中国では炭鉱や工場でも強制労働が行われていると指摘し、中国のランクを昨年より1段階引き下げ、最低にした
欧米の政府機関や企業に広がった27日の大規模なサイバー攻撃の被害は、ウクライナで他国に先駆けて広がり、被害の程度も最も大きかったとみられる。ウクライナの内閣報道局は28日、「大規模攻撃は阻止された」との声明を出したが、一部の企業、公共機関ではシステムが回復せず、混乱が続いている模様だ。 攻撃は「ランサム(身代金)ウェア」と呼ばれるコンピューターウイルスによるものだと見られている。 米マイクロソフトによると、攻撃が確認されたのはロシアやブラジルなど65カ国で、最初に確認されたのはウクライナだという。 ウクライナでは被害はエネルギー関連企業、金融機関、マスメディアなどに広がった。首都キエフや東部ハリコフの国際空港ではサーバーが使えなくなり、28日も乗客のチェックインや離着陸・搭乗情報の表示などが手動で行われている。 ウクライナは過去にも、公的機関がサイバー攻撃の標的になり、15年12月には複数
韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は27日、公約に掲げる「脱原発」政策の一環として、韓国南東部・蔚山(ウルサン)市の新古里原発5、6号機の建設工事を中断すると発表した。今後世論調査などを踏まえて、完全に中止するかを最終決定するとしている。韓国政府が着工済みの原発工事を止めるのは初めて。 文大統領は19日に古里原発1号機(釜山市)の稼働停止を記念する式典で演説し、新規原発の建設計画の白紙化や、老朽化した原発の設計寿命を延ばさない方針を表明。新古里の5、6号機は巨費が投じられているため、白紙にするかどうか別途検討するとしていた。 韓国政府によると、新古里の5、6号機は昨年6月に着工され、2023年に稼働予定で、すでに28・8%が完成している。約1兆6千億ウォン(約1570億円)が投じられ、工事を完全中止した場合、地元経済の損失を埋め合わせる住民への補償などでさらに計1兆ウォン(約980億円)かか
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く