米南部テキサス州を襲った大型ハリケーン「ハービー」の被害が拡大する中、インターネットなどを通じた被災者への支援の輪が広がっている。トランプ大統領が建設を提唱した国境壁の向こう側のメキシコからも、ボランティアが駆けつけた。人種や貧富の差による「分断」が指摘される米社会に、支え合いによる「共感」が生まれている。 米南部テキサス州ヒューストン中心部のコンベンションセンター。最大約1万人が身を寄せる避難所には、市民から寄付された食料や衣服、シーツ、おむつなどが大量に届けられている。 ここには全米各地から2千人以上のボランティアが集まり、大道芸をしたり、音楽を演奏したりして、子どもたちを元気づけていた。ボランティアの理髪師に9歳の娘の髪を結ってもらった黒人女性(56)は「とてもありがたい」と話した。 メキシコから駆けつけたボランティアもいる。調理室で食事を用意していたヘリコプター操縦士のマヌエル・ベ