選考関係者のスキャンダルで今年の発表が見送られたノーベル文学賞の空白を埋めるため、スウェーデンの文化人らが立ち上げた、今年限りの「ニュー・アカデミー文学賞」の受賞者が12日、発表された。受賞が決まったのはカリブ海仏領グアドループ出身の女性作家、マリーズ・コンデさん。授賞式は12月9日にストックホルムである。 1937年生まれ。アフリカのマリを舞台にした歴史小説「セグー」などで知られる。「植民地主義の荒廃と独立後の混沌(こんとん)を正確かつ圧倒的な言葉で表現している」などと評価された。 選考では、図書館司書が47人の候補を挙げ、ネットの一般投票により最終候補をコンデさん、村上春樹さん、ベトナム出身のキム・チュイさん、英国出身のニール・ゲイマンさんに絞った。村上さんが辞退を申し出たため、最後は3人のなかから、編集者や大学教授らによる審査員が選んだ。 ノーベル文学賞をめぐっては…