気温は零下。「キエフルーシ」と呼ばれる公国時代の11世紀に建てられた世界遺産、聖ソフィア大聖堂の前で、青と黄色のウクライナ国旗が揺れた。広場に設けられたステージに、地元の文化人や市民活動家らが次々登場した。 複数のウクライナ正教会の統一を決める聖職者会議が開かれた12月15日のことだ。1991年にソ連から独立して以来、バラバラに活動してきた。 数千人の信者や現政権の支持者が、会議が始まる前の午前10時ごろから、キエフの大聖堂前に詰めかけた。人々の胸や手首にも、青と黄色のリボンやリング。教会の統一と、そのトップにつく府主教の名前が告げられたのは午後5時半過ぎだった。日はとっくに暮れ、気温はさらに下がって吐く息が真っ白に浮かび上がっていた。