キャラの立つ「文学」めざす 今年創刊100周年を迎える新潮文庫に、8月末から新シリーズ「新潮文庫nex(ネックス)」が加わった。「キャラクター性と物語性の両立」をテーマに掲げ、漫画やライトノベルと一般文芸作品の橋渡しとなるようなエンターテインメント小説をそろえる。国内外の名作文学に定評がある老舗文庫の挑戦に注目が集まる。(海老沢類) 8月末に発売された第1弾は、ベストセラー『心霊探偵八雲』シリーズなどで知られる神永学さんの『革命のリベリオン』や、漫画やアニメになった『とらドラ!』を手がけた竹宮ゆゆこさんの新作など6点。ライトノベルで人気を得ている作家らの書き下ろしを中心に、今後も月3~6点のペースで投入し、年間40~50点の刊行を目指す。 まず目を引くのは、ライトノベル風のイラストを配した光沢感あふれる表紙カバー。本文の紙はやや厚めで、新潮文庫の特色であるスピン(しおり紐)もない。