廃材で作られたバッグや、環境に優しい方法で栽培された綿のTシャツ。「モノを買うことで世の中のために役立ちたい」という消費者の欲求が高まっている。倫理的な「いいひと市場」の拡大を追った。 「ゴミ」バッグに3万円!? 「こちらのバッグは、ペットボトルを原料にしたデニム素材を使用しています。廃棄されるはずだったものが、こんなふうに生まれ変わるんです」 店員の説明に、60代と思しき女性客が熱心に耳を傾けている。 「ええ!このバッグ3万円もするの?『ゴミ』から作ったのに?でもたしかにお洒落だし、地球のためになるならいいわねえ……」 説明を受けた客は、目を丸くしながらも、廃材から作られたバッグに興味津々のようだ。 ここは流行の最先端をいく品揃えで知られる新宿伊勢丹のバッグ売り場。エルメス、グッチ、プラダと錚々たる高級ブランドが軒を連ね、今日も日本人富裕層や「爆買い」に訪れた中国人の観光客でにぎわってい