日経ものづくりが実施した品質についてのアンケートでは、顧客からの過剰な品質要求に悩む現場の姿が浮き彫りになった アンケート結果はこちら 。過剰な品質はコストをつり上げ、製造者と消費者の両方を苦しめる。なぜ現場が適切だと考える品質と実態が乖離(かいり)してしまうのか――。デンソー在籍時に品質を見つめなおし、新興国向けの製品コストを4割削減した竹村孝宏氏に話を聞いた。(聞き手は岩野 恵、高市清治) 取引先が要求する品質が過剰だという声があがっています。 竹村氏:日本全体で高品質を求める気質はあるでしょう。例えば、日本の自動車業界では世の中にある最高品質の製品を「ベンチマーク」とし、それを超える製品の開発を目指す文化が定着しています。結果的に素晴らしい機能や耐久性を持つ製品が日本から生まれました。ただ一方で、消費者が必要とする品質を超えた高価な製品も数多くあります。それでは安価な製品が多い海外市
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