沖縄県宮古島の対岸、下地島は珊瑚礁に囲まれた美しい島だ。人口約6000人の伊良部島が水路を隔てて隣接しているが、下地島にはほとんど住民はいない。 この静かな離島の3分の1ほどの面積を、巨大滑走路と関連施設が占有。ほぼ1年間を通し、副操縦士を養成するための操縦訓練がこの地で行われている。 B767やB737などの中型機が離陸を待つ中、轟音を立てて1機のANA機が着陸してきた。車輪を少しだけ滑走路に接地させたかと思えば、再びエンジン出力を上げて離陸してゆく。この「タッチ・アンド・ゴー」と呼ばれる緊急時訓練の光景は、島の名物となっている。滑走路は国際空港にも利用できる3000mの長さがある。 また、悪天候などで視覚が確保できない場合の安全に誘導する計器着陸装置(ILS)を両端に備えているのは数多ある空港でもそう多くはない。 世界一美しい空港――。そう評される下地島空港の滑走路の端には、カメラマン