→紀伊國屋書店で購入 本書評は、早瀬晋三著『歴史空間としての海域を歩く』または『未来と対話する歴史』(ともに法政大学出版局、2008年)に所収されています。 「フー」、この本の読後感は、このなんとも言えぬ一言に尽きる。読んでも読んでも終わらない本をやっと読み終えたという充足感と、その内容を共有できたといううれしさと感謝の気持ち、そしてこの1000頁近い「重さ」(もちろん物理的だけでなく、内容的に)からの解放等々、考え出したら、この「フー」の意味がわからなくなってしまった。 すでに好著『イスラム世界の成立と国際商業』(岩波書店、1991年)と『海が創る文明』(朝日新聞社、1993年)を出版している著者、家島彦一が、この大部の本でなにを言おうとしているのか、最初はわからなかった。ただたんに、これまで書いてきたものを1冊にまとめただけなのかとも思った。あまりにも大部になったせいか、繰り返しも散見