ここのところ、天皇というものが気になっている。吉本隆明の『共同幻想論』における「起源論」を読んでのことだ。この国の共同幻想のありよう、天皇というもの。ともすれば、戦後民主主義の中で産まれ育った自分などは「現在の象徴天皇制が古代よりのあり方である」などと言われればそんなものかと思ってしまうが、それにとどまらないスケールでの話もありえる。 日本列島に人間が住み始めたのは別に天皇制から始まるわけじゃなくて、それよりはるか以前、数千年はおろか数万年前から住んでいた。もちろん原始社会の段階で村落レヴェル以上にはいかないような存在として、日本列島に分布していたかもしれないわけです。その住民たちは、数万年前から自分たちの祭りの仕方をもっていたと思うんです。 というあたり。天皇家が一豪族から出てきたのか、あるいは騎馬民族渡来説したのかわからないが、いずれにせよ、その後の天皇制のあり方の中にはそれ以前のもの