業の深いことよのお、と思わず呟きたくなることがある。何と言おうか、強烈に業の深い人というのが時々いて、こういう人たちは別に何事もなくとも強烈な業深さを漂わせている。で時々、期待に違わぬ業深さを発揮して、何しろ薄々感じていたことではあるから別段驚きはしないものの、強烈な違和感を味わわせてくれる。 知人に、年齢を考えれば驚嘆に値する結構な美人がいた。私より大分年上の人だが、お肌の美しさは格別で、それだけで一種不気味なものさえ感じさせた——何と言おうか、皴ひとつ染みひとつなく、脂も浮いていないのに剥き卵と言うにはあまりにぬるぬるした感じの肌で、それだけで何となくひとつ了解できるものがあった——この人の住んでいる世界は私のそれとは全然違う。何と言おうか、ホルモン全開の人にしか見えない世界の様態というやつがあるのだ。私が業と言ったのは、即ちそれだ。世の大多数にとってどうなのかは知らないが、♀であるこ
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