40代の後半で、経営していた薬局を閉めた。 そこに至る詳しい経緯は、 まるで出来の悪い三文小説のようだったけど、 今更それを書く気にはならない。 とにかく、一生それで食べていけると思っていたので、 実際に閉店することを決意した前後は、 心身共に相当参っていた。 運転資金は厳しくなるばかりで少しも好転しなかったし、 閉めた後に何をして食べていくのかも決めかねていた。 新たな商売に踏み出すプランやアイデアもなく、 肝心な資産もほとんど残っていなかったので、 まさに先が見えない日々を送っていた。 当然、仲間の集まりにもほとんど顔を出さなくなっていた。 そんな頃、後輩の結婚式に呼ばれた。 一回り以上も若い彼はいわゆる遊び友達で、 バンドの仲間でもあった。 遊ぶお金に困ったことがない甘ちゃんが、 いい年をして身動きが取れなくなり、 もがいている姿はまったくみっともない。 仲間に会うのがなんだか恥ずか