「トークン(お飾り)」という概念をご存じだろうか。 筆者は『サウスパーク』というアニメで「トークン・ブラック」という名の黒人のキャラを見てこの言葉を知った。これは登場人物の大半を白人が占める映像作品への人種団体などからの批判をかわすため、申し訳程度の端役で黒人を出すことを風刺している。 トークンとして中高大を過ごしたきた筆者 この例では人種だが、集団に多様性があるように見せる効果や目的を持つ、選別されたマイノリティを「トークンマイノリティ」「トークン」と呼ぶ(※注1)。 トークンについては米国で長年研究が為され、生じうる様々な摩擦、そのメカニズム、問題の構造、処方箋に至るまで多くの議論が蓄積されてきた。 筆者は重度脳性麻痺と発達障害を持つ障害者で、中学・高校・大学・社会人の計13年以上トークンとして過ごしてきた。従って僭越ながら筆者の自分語りを通じて、トークンと多様性を巡る議論のミソを感覚