明日、光市母子強姦殺人事件の判決が下る。この事件の裁判は、日本の被害者運動史のメルクマールとなるだろう。運動を牽引してきたのは、「全国被害者の会(あすの会)」である。2007年6月に成立した法律(被害者参加制度を盛り込んだもの)の試案作成に関与し、飲酒運転への厳罰化などへも働きかけてきた。自民党と連携し、日本で最初の政治力を持った犯罪被害における当事者団体である。また、死刑の必要性を訴えているところも特色である。 一方、「あすの会」とは別の方針を打ち出してきたのが「被害者と司法を考える会」である。こちらは、修復的司法の導入*1を主張する。この点で、死刑や厳罰化を求める「あすの会」とは真っ向から対立している。また、代表を務める片山徒有は、被害者遺族であるが、当事者性は強く出していない。民主党からのヒアリングなども最近は行われており、政治力をつけつつある。 上記は、2つのグループを、非常に表層