スーダン出身の英語で書く作家、レイラ・アブルエラーの短篇「博物館/The Museum」を「神奈川大学評論 62号」に訳出しました。 スコットランドのアバディーンを舞台に、スーダンからの留学生シャディァと、彼女が出会ったスコットランド人学生ブライアンとの淡い恋物語が描かれます。故国に裕福な実業家の婚約者がいるシャディァは、母親の強いすすめで、修士号をとるためスコットランドに留学しますが、北国の寒くて雨の多い暮らしのなかで体験する違和感や、授業についていけない焦り、孤独感に悩まされます。そんな彼女がノートを貸してもらったブライアンと初めていっしょに出かけたのが博物館でした。ところが、そこに展示されていた「アフリカ」に、ブライアンは強い関心を示しますが、シャディァはショックといたたまれなさを感じて・・・。 アブルエラーは1964年、カイロ生まれ。母親がエジプト人、父親がスーダン人、育ったのはハ