スマートフォンやタブレット端末を使い、指だけでまるで筆で描いたような肖像画を描く人がいる。堺市の会社員、山岡セイコウさん(40)。通勤電車で描いていて魅力に気づき、インターネットで海外からも注目を集めている。 山岡さんが使うのは、iPhone(アイフォーン)やiPadなどに組み込んだ「ArtStudio」という有料アプリ。画面をカンバスに見立て、指先でタッチして顔や体の輪郭を描く。線の太さと色の濃さは、画面下のバーをスライドさせることで調整する。目や鼻などのパーツを描き込んでいく時は、複数の指で画面を拡大させる。陰影をつけ、最後に色を重ねていく。 一つの作品にかかる時間は5~6時間。山岡さんは「道具や描く場所が要らない上、絵の具が乾く時間を短縮できる。失敗を簡単に取り消すことも強みです」と話す。フェルメールの代表作『真珠の耳飾りの少女』をiPadミニで模写する様子をユーチューブに投稿した動