1月中旬、雪が降り積もるJR富山駅は工事の真っただ中にあった。ホームを降りた乗客は駅のあちこちに設けられた仮囲いの間を縫うようにして改札口に向かう。駅前には土産物屋やレストランが集まる大きなプレハブが立ち並び、雑多な印象だ。 しかし、駅を出て振り返ると駅舎のすぐ隣に白を基調とした大きな建物がそびえ立つ。3月14日に開業する北陸新幹線の駅だ。建物は完成し、今は内装工事や駅前の整備、在来線の高架化工事が急ピッチで進められている。「この店も3月12日で終わり。プレハブは取り壊されるからね」。名物の「ます寿司」を売る土産物店主は名残惜しそうに話すが、表情はどこかうれしそうだ。 3月に向けて着々と準備が進むのは富山県だけではない。「新幹線が春を連れて、やってくる」。石川県の金沢駅には、こんなキャッチコピーのポスターがあちこちに張られている。 金沢駅も周辺施設の整備の仕上げ段階に入った。駅構内の商業施