4月の消費税増税を前に、国内の物流に異変が起きている。「増税よりも前に安く買おう」という駆け込み需要が高まっているのは周知の通り。確かに、前回の税率アップ(3→5%、1997年)や、消費税導入時(1989年)にも、直前の駆け込み需要で買い物をする人が増えたのは事実だ。 しかし今回は、インターネットが普及して初めての消費税増税であるだけに、様子が前回までと少し異なる。お店に足を運ばずとも、手軽にネットでお買い物の注文ができるようになった。その結果、今回の駆け込みによるネット購入が3月末に近づくに連れて大幅に増えており、過去の3月にない大量の商品配達に、宅配業者が悲鳴を上げている。 「困るなあ、きょう明日に届かないといけないのに」 3月28日午後、東京都港区のあるイベント施設に、「お届け遅延のご連絡」というA4判一枚の文書が届いた。50代の施設スタッフ男性はその紙を手に、ため息を漏らした。29