東京海上日動火災保険で自動車保険金の新たな「不払い」が発覚した問題で、現役社員の男性が元上司や会社に3千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴していたことが分かった。「不払いを会社側から指示され、上司に責任も押しつけられて降格させられた」と主張している。 訴状などによると、損害保険会社の不払い問題が最初に表面化した2005年、男性は保険金の支払い業務をしていた。当時会社側は男性らに「(追加の)支払い対象事案のリストを絞り込み、極力ゼロにして報告せよ」などと指示したという。不払いが多数あったのに、少なく装うよう強要されたと主張している。 男性は06年ごろから社内での待遇が悪くなり、10年には降格させられた。納得できないため11年に労働審判を申し立てたところ、「男性が不払い案件の関係書類を捨て、独断で支払い対象外と判断した」とする報告書が上司によってつくられていたことがわかった。上司が不払いを隠